ポスト・アポカリプスというジャンルがある。端的に言えば、文明が崩壊したあとを舞台とする創作物の総称で、宗教一般に見られる終末論にその源流があるとされる。「最後の宇宙船」はまさに終末を舞台とする物語だ。
　しかし作曲した私自身、物語の多くを設定しているわけではない。最後の宇宙船…この言葉が与えるイメージ以上には鑑賞者の想像力を狭めず、自由にストーリーを考えてほしいという思いがある。
　なぜ最後なのか、そこに至るまでに何があったのか、そして宇宙船はこれからどうなるのか？曲を聴きながら一人一人が物語に想いを巡らせ創作する、その過程まで含めて、これを作品としたい。(作曲者記)